「整水器」とは、水道水を電気分解してアルカリイオン水や酸性水を生成する家庭用医療機器のことです。浄水器と混同されやすいですが、浄水機能に加えてpHを調整する機能を備えている点が大きな違いです。
この記事では整水器の仕組みや特徴、選び方のポイント、そしておすすめモデルの比較情報をまとめて紹介します。導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

整水器と浄水器の違い
浄水器
水道水から塩素や不純物をろ過して除去する機器です。ろ過後の水のpH値は水道水とほぼ同じ中性のまま。蛇口直結型・ポット型・据え置き型などがあります。
整水器(アルカリイオン整水器)
浄水フィルターで不純物を除去したあと、さらに電気分解を行ってアルカリイオン水(飲用)と酸性水(洗顔や掃除用)を生成します。家庭用管理医療機器として認証を受けた製品で、アルカリイオン水は胃腸症状の改善効果が認められています(※効果には個人差があります)。
整水器はあくまで「家庭用管理医療機器」です。特定の病気を治す・予防するといった効果を期待するものではありません。体調に不安がある場合は医師に相談してください。
整水器の選び方|4つのチェックポイント
1. pH調整の段階数
多くのモデルが3〜5段階のpH調整に対応しています。段階が多いほど、飲用・料理・洗顔など用途に応じた水を使い分けしやすくなります。
2. 浄水カートリッジの性能
整水器にも浄水フィルターが内蔵されています。JIS規格で定められた除去対象物質がどれだけカバーされているかを確認しましょう。記事執筆時点ではパナソニック製品が19物質除去に対応するモデルを展開しています。
3. 設置方式
据え置き型(カウンタートップ)とアンダーシンク型(シンク下に設置)があります。キッチンのスペースに余裕がなければアンダーシンク型が便利ですが、工事が必要な場合もあります。
4. 生成水量(1分あたり)
料理にもたっぷり使いたい方は、生成水量が2.0L/分以上のモデルを選ぶとストレスなく使えます。

おすすめ整水器モデルを比較
パナソニック TK-AS31
コンパクトなデザインながら19種類の有害物質を除去できるパナソニックの入門モデルです。アルカリ3段階・酸性1段階・浄水の計5種類の水を生成でき、用途に合わせた使い分けが可能。カートリッジ寿命は約12か月(12,000L)と長寿命で、ランニングコストも抑えられます。液晶パネルでカートリッジ残量や水質を表示してくれるのも便利です。
パナソニック TK-AS48
パナソニックの上位モデルで、アルカリ4段階に対応。生成水量が多く、料理にも気兼ねなく使えます。「ORP(酸化還元電位)表示」機能で水質が数値で確認できるため、水の状態を詳しく把握したい方に向いています。
パナソニック TK-HS92(還元水素水生成器)
水素を含んだ還元水素水を生成できるモデルです。通常のアルカリイオン水よりも溶存水素濃度が高い水を生成できるのが特徴。据え置き型の大型モデルですが、機能の充実度はシリーズ最上位クラスです。
日本トリム グラシア
電解水素水整水器として知られる日本トリムの人気モデルです。医療機器認証を取得しており、ビルトイン型として設置可能。シンク下に収まるのでキッチンまわりがスッキリします。カートリッジは約12か月交換で、長期間使い続ける方にも経済的です。
整水器は本体価格が数万円〜十数万円と高めですが、ウォーターサーバーのように月々の水代がかかりません。長期的に使うほどコスパがよくなります。
整水器で生成できる水の種類と使い分け
アルカリイオン水(pH8〜10程度)
飲用や料理に使います。ご飯を炊くときに使うとふっくら仕上がるといわれ、出汁を取るときに使うと素材の旨味を引き出しやすくなるとされています(※感じ方には個人差があります)。
浄水(pH7程度)
残留塩素を除去した水道水。薬を飲むときやミルクを作るときなど、中性の水を使いたいシーンに向いています。
酸性水(pH4〜6程度)
飲用には適しませんが、洗顔や食器のすすぎ、掃除などに活用できます。弱酸性なのでお肌にやさしいのが特徴です。

整水器の設置方法と注意点
据え置き型の設置
蛇口に分岐水栓を取り付けて、そこからホースで整水器本体に水を引き込みます。工具は必要ですが、付属のアダプターで多くの蛇口形状に対応可能。キッチンカウンターに本体を置くスペース(幅20cm×奥行き15cm程度)が必要です。
アンダーシンク型の設置
シンク下に本体を設置し、蛇口の横に専用水栓を立てるタイプです。キッチンの見た目がスッキリする反面、設置に水道工事が必要なケースもあり、業者に依頼すると工事費が1〜3万円程度かかることがあります。
電源の確保
整水器は電気分解に電力を使うため、コンセントが近くに必要です。キッチンにコンセントの空きがあるか、事前に確認しておきましょう。
整水器は水道水の水圧が一定以上ないと正常に動作しないモデルもあります。マンションの高層階など水圧が低い環境では、購入前にメーカーに確認するのがおすすめです。
整水器に関するよくある質問(Q&A)
Q. 整水器の水は赤ちゃんに飲ませてもいい?
赤ちゃんのミルク作りには、pH調整されていない「浄水モード」の水を使うのが一般的です。アルカリイオン水は赤ちゃんの消化器系に負担をかける可能性があるため、離乳食が始まるまでは浄水を使いましょう。
Q. 整水器のカートリッジ代はどのくらい?
メーカーやモデルによりますが、年間5,000円〜1万円程度が目安です。交換頻度は6か月〜12か月に1回のモデルが多いです。
Q. 整水器の設置は自分でできる?
据え置き型であれば、蛇口に分岐水栓を取り付けるだけなので自分で設置できるモデルが多いです。アンダーシンク型は水道工事が必要な場合があり、専門業者に依頼したほうが安心です。
Q. 整水器と水素水サーバーは同じもの?
厳密には異なります。整水器は電気分解でアルカリイオン水を生成する家庭用管理医療機器です。水素水サーバーは水素ガスを水に溶かす方式が主流で、医療機器認証を持たない製品も多くあります。購入時は「管理医療機器認証番号」の有無を確認しましょう。
Q. 整水器の寿命はどのくらい?
一般的に7〜10年程度が目安です。電極板の消耗が寿命を左右するため、メーカーが推奨する使用量を大きく超えて使い続けると劣化が早まります。定期的なカートリッジ交換と内部洗浄を行うことで、長く快適に使い続けられます。
Q. 整水器の水は料理に向いている?
アルカリイオン水は出汁を引くときや野菜のアク抜き、炊飯に適しているとされています。一方、酢の物やゼリーなど酸味を活かしたい料理には中性の浄水モードが向いています。用途に応じて水の種類を使い分けるのがおすすめです。

整水器の導入コストを比較
整水器 vs ウォーターサーバー
整水器は初期費用が3〜15万円程度と高めですが、月々のランニングコストはカートリッジ代の月500〜1,000円程度のみ。一方、ウォーターサーバーは初期費用は無料〜数千円ですが、月々のレンタル料+水代で3,000〜5,000円かかるケースが多いです。
2年以上使い続ける前提なら、整水器のほうがトータルコストが安くなる計算です。ただし、整水器は水道水を原水としているため、天然水のような味わいを求める方にはウォーターサーバーのほうが向いています。
整水器 vs 浄水器
蛇口直結型の浄水器は本体3,000〜1万円、カートリッジ代が年間1万円程度とコスト面では圧倒的に安価です。「塩素とカルキ臭を除去できれば十分」という方には浄水器で事足ります。アルカリイオン水の機能に魅力を感じるかどうかが、整水器を選ぶかどうかの判断基準になります。

まとめ
整水器は浄水機能に加えて電気分解でアルカリイオン水を生成できる家庭用管理医療機器です。飲用・料理・洗顔・掃除と幅広く活用できるため、水にこだわりたい方にとっては検討する価値があります。
選ぶ際はpH調整段階数・浄水カートリッジの除去物質数・設置方式・生成水量を比較し、自分のキッチン環境や使用量に合ったモデルを選びましょう。
外部参考リンク:

